さて、今年もまた本田美奈子さんの誕生日がやってまいりました。
おめでとうございます。
亡くなった年は岩谷時子さんとボイスレコーダーを通じたメッセージと歌の交流をしており、この年の、つまり最後の誕生日に岩谷さん向けのメッセージと歌が録音されていました。その選曲は永六輔さん作詞の「見上げてごらん夜の星を」でした。
この岩谷時子さんとのボイスレコーダーを通じた「ボイスレター」はNHKで「本田美奈子・最後のボイスレター」というタイトルで番組化されていますので、ご覧になっていない方はぜひ見ていただきたいと思います。
また、このボイスレコーダーに収録された数々の歌は、「ラスト・コンサート」というタイトルでCDアルバムとして発売されています。
夜の星ではありませんが、地球から見える全天で最も明るい星は、太陽です。
本田美奈子さんは太陽が大好きでした。自分自身が太陽になりたいとさえ思っているほどだ、と語っています。
生きとし生けるものすべてに光を与えて、命を与えて、そして育てて、永遠に光を与え続けている素晴らしいもの、自分もこの太陽のように歌を通して人々に光を与える事ができるようになりたい、そうボイスレターの中で語っておりました。
そして僕は、太陽のようなものを本田美奈子さんに感じています。
その強い重力で強く引き付けられる自分、近くに行けば行くほど光が強くなり温かくなり、さらに強い重力で強烈に引き付けられます。
けれども、引き付ける力があるのと同時に、容易に近づけない不思議な力も持っているんです。
引かれて引かれて近づくのだけれど、ある距離になったところで、はじくオーラ、近づけさせないオーラにぶつかるんです。
結果、自分はその最も心地よい距離をぐるぐる回る惑星になります。いわゆるファンとして存在し続け繁栄するためにふさわしい「軌道」です。この微妙で適切な距離にいるからこそ地球は幸せな歴史を送っているのです。
実際の太陽も近づきすぎると太陽に墜落して炎に呑み込まれて存在が終わってしまいます。
引かれては弾かれ、引かれては弾かれ、ぐるぐる、ぐるぐる、美奈子太陽の軌道を回り続けている僕なのであります。
かなり具合が悪かったそうで、社長が「無理はよくないから、お願いして出演をキャンセルすることもできるんだよ。」と進言しましたが、「震災で苦しんでいる人たちを元気づけるのは大事な自分の仕事、自分を待っている人たちがいる、それは絶対できない。」と言ったそうです。
アーチスト本田美奈子が自分の仕事についてこうと決めて判断した時は、それを曲げさせるのはかなり骨が折れるという事は、長い二人三脚から良く知っているのです。
今も元気だったら、きっと同じことを言いながらあちらこちらと奔走していたことでしょう。
そしてもしかしたら天国で、今、「BBちゃん雲にのる」的な感じで、下界を見下ろしながら思っているのかな、とも思います。
ぐるーん、ぐるーん、ぐーるぐる。
お誕生日おめでとうございます。